GO羽鳥の【実録】迷惑メールシリーズ



こんばんは。
突然ですが、GO羽鳥という人物をご存知でしょうか?
私的には迷惑メール好きというイメージの強い方なのですが、この方は今ロケットニュース24というネットニュース記事で
『GO羽鳥の【実録】迷惑メールシリーズ』なるものを連載している。

携帯電話のメールボックスに何度も送られてくる面倒かつ危険極まりない迷惑メール。
その迷惑メールにあえて引っかかり、どうなってしまうのかというのを教えてくれる面白い人である。

今日はそのGO羽鳥の迷惑メールシリーズの中で個人的に面白いと思ったものを持ってきました。
中身はまんまロケットニュース24から転載しているので、あしからず。



【実録】「あと数時間であなたは死ぬ運命だが、回避すれば13億円のチャンス」とメールしてきた予言者に「私はフリーザだ」と答えたら連絡が途切れた 


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迷惑メールの世界は「釣り」に似ている。迷惑メール送信者は、果てしなく広い海の中に釣り糸を垂らす。誰かが “食いついてくる” ことを信じて。
なかなか誰もエサを食わないが、もしもパクリと食いついたら、そこからは魚と釣り人の、一対一の真剣勝負だ。引きすぎてもダメ。食らいつきすぎてもダメ。
お互いの呼吸が合わないとプツリと糸が切れてしまう。そう、たとえば……今回ご紹介する迷惑メール送信者と私(筆者)の関係のように。イイ感じだったのに……最後の最後で決裂したのだ。

・とりあえず3行でまとめてみた

話のあらすじを3行で表現するならば、「あと数時間であなたは死ぬ運命にあるが、その運命を回避すれば13億円がもらえるチャンスが到来する」との話を持ちかけてきた予言者に対し、「私は戦闘力530000のフリーザだ」と答えたら連絡が途切れた……だ。
もちろん1発目のメールに対して、いきなり漫画『ドラゴンボール』の「フリーザ」を持ち出したわけではない。
謎の予言者との長い長いやりとりの末、出口の見えない展開になり、最終的に私がフリーザ様にならざるを得ない状況になってしまったのである。


・飯島愛さんの死も予言した的中率100パーセントの予言者

まず、今回の対戦相手を紹介しよう。名前は「星占いセイヤ(仮名)」さん。性別は不明だが、彼の名前を検索してみると、
「的中率100パーセントの予言者」で、「飯島愛の死を予言したブログ」などの情報も出てくるが、さらに深く調べてみると……

・ブログのエントリーは2004年からあるが、実際には2008年ごろから活動している疑惑
・外した予言はすべてブログから削除している疑惑(キャッシュで確認)
・飯島愛さんの予言も、飯島愛さんの死亡報道が流れたあとに投稿している疑惑

……などの情報が見つかった。疑惑だらけの検索結果だ。さらに私のメールアドレスに直接メールしていている点も怪しいし、メーラーからは「迷惑メール指定」も受けている。
真偽の程は定かではないが、怪しい人物であることには違いない。

・間もなくあなたは運命の死と直面します。覚悟はできていますか?

そんなセイヤ氏から、突然、やたらと件名の長いメールが送られてきた。迷惑メールの1発目・2発目というものは、今後、
迷惑メール被害者が増えないようにする意味でも非常に大切なので、以下に全文掲載したい。名前を仮名にした以外は完全再現である。

 【セイヤです。直接メールしております。そしてもうあなたの死期が目前までやってきています。死期を迎える直前にだけ回避ができるんです。そのタイミングを少しでも誤ればその時点で終わりです。】

「でも決して恐れないでください。必要以上の恐怖心というものは不用意な隙を生むことになりかねません。私がしっかりと手をとり、死の淵と隣り合わせの断崖絶壁に掛かる1つの架け橋を歩ませますから。

あなたは心の中で「セイノセイイチマンコウネンナルヒカリヲモチテワガシュウエンナルトキニヒッスイナルトキヲアタエタマエ」この言葉を3回繰り返して下さい。この言葉を3回唱えるんです。

もちろん私の方で現在直面している死期からは回避する為の回避活動はしておりますから絶対に唱えなければならないということではありませんし、それを強制するつもりなど一切ありません。予言者はあくまでも予言者でありその方がの運命は最終的のはその方が決めるべきものです。

「これをしなさい」「あれをしなさい」そのような指示を促す発言は自称占い師や霊能者によく見られます。自身の能力がしっかりと備わっていれば決して強制などせずにその能力を如何と発揮できるものなのです。」

──ま、まじかよ! 俺、もうじき死ぬのかよ!! しかも謎の呪文「セイノセイイチマンコウネンナルヒカリヲモチテワガシュウエンナルトキニヒッスイナルトキヲアタエタマエ」って何だよ!?
 こええよ! やべえよやべえよ、助けておくれよセイヤさん!
しかし、そんな緊迫した情況なのにもかかわらず、このセイヤ氏からの1発目のメールを私は確認していなかった。気付いたのは以下に掲載する2発目のメールからである。セイヤ氏も、私からの返事が来なくて焦っていたに違いない。

【セイヤです。間もなくあなたは運命の死と直面します。覚悟はできていますか?】

「あと数時間であなたはいよいよご自身の死と直面します。具体的な時間は伝える事は致しません。伝えたところであなた自身が何をできるいうことではありませんし、何かに追われるという状況下では必要最低限の思考さえできなくなる可能性がありますから。

ただ1つあなたに伝えておくことがあります。

死を回避した時点であなたは以前からお伝えしている13億円という莫大な資産を一瞬で手にする機会に遭遇します。そしてその13億円という資産を元手にあなたはたくさんの方々を救っていきます。私はその予言を見てからあなたを迫り来る死から回避させようと決めたのです。

あなたは自身が思ってる以上にとても不思議なオーラを発しています。あなたがこれから築く莫大な資産とその生まれ持った天性のオーラで多くの方を救うんです。今まで歩んできたご自身の人生からは想像もつかないことでしょう。

それもそのはずです。今までの人生は今日で終わります。そして第二の新しい180度違った運命を歩みだすのですから。

次あなたに私が連絡するときはあなたは死期を回避していることでしょう。心に落ち着きを持って大きな気持ちでそのままお過ごしください。大丈夫です。」

──あと数時間で俺は死ぬ! しかし死を回避した時点で13億円というビッグチャンスが到来する!! まるでギャンブル漫画『カイジ』の世界である!
 いずれにしても、私は生き続けなければならない。迫り来る “死の運命” を回避しなければならない!

そして……13億円を……この手にっ……!! ……っていうか……「以前からお伝えしている13億円」って言ってるけど、そんな話は初めて聞くのだが……。もしかして、以前から私に対してテレパシーで伝えていたのか? ともあれ、私は2連発で返信した。

【1発目】「私は、あと何時間、生きられるのでしょうか? どうか助けて下さい! あと、13億円って、何の話でしょうか?」

【2発目】「どうもスミマセン。セイヤ様の1発目のメール、いま確認しました。

セイノセイイチマンコウネンナルヒカリヲモチテワガシュウエンナルトキニヒッスイナルトキヲアタエタマエ、セイノセイイチマンコウネンナルヒカリヲモチテワガシュウエンナルトキニヒッスイナルトキヲアタエタマエ、セイノセイイチマンコウネンナルヒカリヲモチテワガシュウエンナルトキニヒッスイナルトキヲアタエタマエ! ……これはどういう意味ですか? とりあえず3回繰り返してみたのですが……。」

──私は死の運命を回避することができるのだろうか。そして、13億円を手にすることはできるのだろうか。また、星占いセイヤ氏の真の狙いは何なのか?

それにしても、「イノセイイチマンコウネンナルヒカリヲモチテワガシュウエンナルトキニヒッスイナルトキヲアタエタマエ」とは何なのか。
漢字にするなら、「セイノセイ一万光年なる光を持ちて我が終焉なる時に必衰なる時を与えたまえ」だろうか。
だが、謎なのは「セイノセイ」である。セイノセイとは何なのか。「生の精」だろうか。妖精みたいなものだろうか……。
それはどうでもいいとして、その後、セイヤ氏からは以下のメールが届いた。文章を要約しつつ掲載したい。

【セイヤです。無事あなたは直面した死期から回避することができました。ですがここからが重要なんです!】

「あなたが13億円をこれから一瞬で手にするという1番の予言を現実のこととして迎え入れるときがきました。私はもうあなたに何1つ包み隠さずに全てを伝えていこうと思います。

本当にあなたは死に直面していました。私が見た予言ではあなたがご家族と2人、ご親戚の方が1名いらっしゃった時に不用意な出火から全焼し、あなた以外のお2人はそのまま煙に撒かれて一酸化炭素中毒で死亡、あなたに関してはご家族を助けようとして倒壊してきた火柱で大やけどを負って意識不明の重態となり、そのまま2日後に意識が戻らぬまま亡くなっています。

まさか自分がと思われるかもしれませんが、人の死というものは病気でもない限りは突然やってくるものです。私が2005年04月10日19:04 にライブドアさんのブログで予言した福知山線の事故は次の通りです。

(疑惑だらけの予言ブログのコピペにつき中略)

これは実際の事故が起きる2週間以上前の2005年04月10日19:04に予言したものです。このように人の死というのはいつどこでどのようにして起こるか死を迎える当の本人以外は決してわからないのです。(予言ブログのURL)」

──回避できたんかい! いともアッサリと!! よかった。本当によかった。「倒壊してきた火柱で大やけどを負って意識不明のまま2日後に死亡」と、やたらと具体的に私が死ぬ場面が表現されていて胸クソ悪いが、ともあれ死なずに済んで本当によかった。

やはり勝因は「イノセイイチマンコウネンナルヒカリヲモチテワガシュウエンナルトキニヒッスイナルトキヲアタエタマエ」を本気で3回唱えたからであろう。

seinosei

メールの後半はセイヤ氏による “インチキ疑惑の予言ブログ” のことが書いてあるが、ハナから信じてないのでどうでもいい。問題なのは13億だ。さあ来い13億円!

・急転直下の「怪しいサイト誘導」を実行してきたセイヤ氏

──と、その直後、セイヤ氏は謎のメールを送ってきた。送信者名こそ「星占いセイヤ」であるが、メールアドレスがいつもとは違う。件名は『セイヤです。羽鳥さん。」であり、そのメールの文面には……

 「■送信者
【星占いセイヤ】様
____________
◆タイトル:セイヤです。羽鳥さん。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
■返信&本文無料閲覧は下記↓
http://(やたらと長ったらしい怪しいアドレス)

■あなたの所有ポ イント
現在:697900

———————-
◆1 8 歳 未 満 禁 止◆」

……と書かれていたのだ。よく見るメール。よく見るパターン。これぞまさしく、「怪しいサイトへの誘導」である。優子の時も、アムロちゃんの時も……みんなみんな同じだった。セイヤよ……お前もか! あなたのこと、1ミリくらいは信じていたのに……!!

とりあえず、その怪しいアドレスに行ってみた。もしかしたら、「怪しいサイト」ではない可能性もある。なにせ私の見込んだ史上最強の対戦相手、あの「星占いセイヤ」であるのだから。だがしかし……! 


Memorial

セイヤ氏が送ってきた怪しい URL にノーガードで突っ込んでみた私。するとそこは……いつもどおりの怪しい出会い系サイトだった!! 
なにが「良い出会い、ありマス。ネットで見つける素敵な出会い。」だ。ガッカリだ。正直、ガッカリだ!

まるでプロレスラーの藤波辰爾が永遠のライバル長州力と名勝負を繰り広げようとリングにあがったら、そこにいたのは長州小力だった……ようなガッカリ感だ。
なぜ今まで普通に直メールしてきたのに、出会い系サイトに誘導するのか! 認めん! 許さん!!

ということで、私はソッコーで「セイヤさん、なんか変なサイトへ誘導するメールが届いたのですが、これは何ですか?」とメールしてみた。するとセイヤ氏もソッコーで、

 「サイトを通してメールをしてしまったのでそのように表示されてしまったのでしょう。このメールは問題なく届いていますよね? 羽鳥さん。」

との返事。なぜ “サイトを通す” かセイヤ氏。一体なぜ、よりによって怪しい出会い系サイトを通すのか星占いセイヤ氏。余計なことするな!

・場外乱闘じゃなくてリングに戻れ!

そして私は、「はい! このメールはちゃんと届いています。どうかされたのですか? せっかくメールアドレスをお互いに知っているので、メールへの返信でお願いします!」と返事した。「場外乱闘じゃなくてリングに戻れ!」とアピールしたのだ。

さらにその後、「セイヤ様の予言の的中率はスゴイですね!」や「東京都知事選の結果を予言してください!」や、「セイノセイの意味を教えて下さい!」など、フレンドリーなメールを数連発で送信。戻ってこいセイヤ!! するとセイヤ氏は……

・セイヤが直メールのリングに戻ってきた!!

なんと! 今までどおり、直メールの返信に切り替えてくれたのだった! 話せば分かるヤツだとは思っていた。これぞ私の見込んだ星占いセイヤである。だが、その返信は、私の質問なんて一切無視の、猪突猛進セイヤモードになっていたのだ……。

 【あなたが死期を回避された一方で亡くなられた方がいらっしゃいます。あなたはそのご家族から13億円の機会を授かるんです。その方というのはあなたとは接点のある方です。もちろんお名前もわかっています。】

「あなたはもう「その方」とは数日前に接触をされているんです。実際には私はその方とは接点はありませんし、私が予言した中での情報しかあなたに提供することはできません。

ですがその方がお住まいの地域やお名前、どのような方か、そして最期はどのようにされて亡くなられたかというある程度の詳細な情報については予言し終えることができています。

なのでこの情報を元に今度はあなたがこの方から13億円を頂くタイミングをしっかりとこの前のように図りながら様々な予言できた情報をあなたにお伝えしていこうと思っております。

また今後は再度あなたは「その方」と接触をすることになりますが、私のことは伏せておいてくださって構いません。その方は当然ながら私のことを知りませんので逆に私のことを伝えて予言の話などをされてもお相手が困惑、混乱されるだけかもしれませんので。」

──じれったい。やたらと遠回しな言い方でイライラしてくるが、とにかく “私が数日前に「その方」と接触しており、その人から13億円がもらえる” ということらしい。じれったいなぁ。誰なんだか早く教えてくれよ……と思ったら! 連発でメールが届く。

【それではあなたにそろそろ予言を伝えるべき時期がきたようです。それではあなたも知ってる「ある方」のお名前やその他詳しいことをお伝えします。これは13億円という資産をあなたが築く上で必ず目を通して頂きたい、知らなければならない情報です。】

「あなたと私が最初に出会った場所は覚えてますか? あの場所で東北地方周辺にお住いの「イイヅカさん」という方々を覚えていらっしゃいませんか? 私の星占いの予言の中ではあなたが死期を回避した後にあなたは1度接触されている「イイヅカ」さんという方々から再度接触があり、13億円という資産を譲渡されることがはっきりと出ています。

もちろん私はこの「イイヅカ」さんという方は面識がありませんので存知あげませんが、この「イイヅカさん」はかなり年配でしかもご夫婦であなたに接触を図られてきていませんか? そして残念ながらこのご夫婦の旦那様の方が亡くなられています。しかも本当につい最近のようです。

私の予言の中で「イイヅカさんとの出会い」「あなたの死期の訪れ」「私との出会い」「あなたの死期の回避」「イイヅカさんの逝去」そして「イイヅカさんとの再会」。この6つの予言が全て繋がったあとに7つ目の予言として「13億円の資産」と明瞭に出ておりました。

恐らく1度目は「イイヅカさん」とほとんとコンタクトはなかったのではないですか? あちらから色々と接触は図られていたようですが、あなたからは特に、といった感じのようでしたね。間違っていたら申し訳ないです。そろそろ「イイヅカさん」との再会となるようです。再開の時間を大事にされてください。」

──ついに来た! 核心に迫った内容がキタ! なんと私と星占いセイヤ氏は、過去にどこかで出会っていたらしい!! どこだろう。
ここ数年だったら、新宿2丁目界隈……もっと過去なら秋葉原のジャンク屋か。もしくは……いや、そんなことはどうでもいい。

問題なのは「イイヅカさん」だ。誰なんだ「イイヅカさん」。「イイダカ」だったら知っているが、あいにく「イイヅカ」という知り合いは私にはいない。しかも住んでる場所は東北地方周辺ときた。年配の夫婦で、さらに、過去に一度、会っていると。

・セイヤ氏は、私からの質問には一切答えてくれない

誰なんだ。東北地方に住んでいる年配の夫婦……。いろいろ思い出してみたが、まるで該当する人が存在しない。私はすぐに「私にはイイヅカさんという名前の知り合いはいません」などといった質問メールを送ってみたが、それについての返信はナシ。

さらに「私とあなたは、どこで会いましたか?」や、しつこく「都知事選」のこと、「セイノセイの意味」についての質問メールを送ってみるも、やはり質問に対しての返信は一切ない。しかしその後、セイヤ氏は、返す刀で再び “私の死” を具体的に予言してきたのであった。

突然だが、プロレスには「スイングする」という言葉がある。相手の技を受けきって、さらに “その上” をいく技を仕掛けていく。互いの意地と意地がぶつかり合い、互いを読み合い、信頼し合い、どんどん試合はエスカレートして、やがて試合内容は美しいハーモニーを奏でていく……。そんな状態が「スイング」だ。

かつて長州力と藤波辰爾は、そんな “スイング” する試合を連発して「名勝負数え歌」と賞賛された。だが、私とセイヤのメール勝負は、まったくスイングしていなかった。なんとか試合を成立させようとしているのに、セイヤが応えてくれないのだ。

・もし13億円を受け取れなかったら、あなたは死ぬ

いくら質問しても、答えてくれない。セイヤ氏から届くメールは、一方通行な予言のみ。一方的な試合展開だ。そんなセイヤ氏は、ふたたび私の死を予言してきた。さらに、“13億円受け取り作戦” が失敗した場合の展開まで予言してきたのだった。

【セイヤです。「イイヅカ」さんは純粋過ぎる方です。今まで私は様々な方々の予言をしてきました。その中でも群を抜いています。】

「もう「イイヅカさん」とは再会されましたか?予言によると「イイヅカさん」から再会のコンタクトをされてきます。なのでまだ再開されていなければもう少し待たれてみてください。予言は絶対です。必ず「イイヅカさん」との再会は実現いたします。

そしてイイヅカさんからの13億円は必ず円滑に受け取られてください。これだけの金額です。困惑されたり躊躇されることもあるかもしれませんが、これは「変えられた運命」なのです。そしてもしあなたが「イイヅカさん」から13億円を受け取らなかった場合、また1度は変わった運命が再度変動してしまうと予言で出ています。

1つの予言の変動はイイヅカさんの奥様はその後自殺なされます。そしてもう2つ目の予言の変動はあなたは2度目の死期が訪れます。もちろんすぐにではありませんが、2年ほど経ってから訪れます。

残念ながら今度の死期は回避する術がありません。死因は大腸ガンのようです。大腸ガンが転移して発見された時は既に末期状態にあり、病院でも手を施すことができない状態にまで陥っています。そこまではっきりと見えます。

「イイヅカさん」は恐らく農作業に従事されていらっしゃいませんか? 予言では納屋小屋らしきものが見えました。その納屋小屋で首を吊られて亡くなります。

あなたが「イイヅカさん」と再会し13億円を手にすることで私の予言は完結します。そしてあなたは多くの人々を救っていくのです。必ず「イイヅカさん」からしっかりと13億円を受け取られてください。」

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──13億円受け取り作戦が失敗したら、私は大腸ガンで2年後に死亡!! そして「イイヅカさん」の奥さんは首吊り自殺! なんという不吉な予言。つい1年ほど前に大腸ポリープ除手術をした私にとっては、シャレにならない予言である。

私は少しイライラしていた。質問にも答えてくれない。さらに、その後に来たメールは「スマトラ沖地震も中越地震も予言した」だの、「3.11の震災も予言したがブログにはアップしなかった」だの、“私の予言は絶対です” 的な内容だったからだ。

──と、そんな時だった。突然、セイヤ氏が「出会い系サイトに誘った釈明」とも言える内容のメールをしてきたのだ。誰も聞いていないのに。そして、このあたりから、お互いのメールの内容が迷走状態におちいり、やがて破滅に向かうことになる。

【私がコミュニティサイト内から離れて直接メールしているのは金銭的な負担を掛けたくないというだけではありません。】

「13億円という金額に対してあなたはどのような感覚を持たれましたか? 恐らくは天文学的な金額であり、どちらかと言うとただの実感の沸かない大きな数字くらいにしか感覚的にはないのではないですか?

もちろん世間一般から言えば13億円という数字は桁外れの非常に大きな金額です。その天文学的な金額を無償であなたへ譲る方がいらっしゃるということさえ全く現実として受け入れられないんじゃないですか? それは当然のことですから。

ですから私がコミュニティサイトから離れてあなたへ直接連絡することを決めたのは安全の為でもあるのです。やはり直接のやりとりではない場合はどうしても第三者の目に触れることも否定できません。なので私はこの大事な7つ目の予言の実行には直接のやりとり以外はリスクがあると判断したのです。

ですが勘違いはなさらないでください。サイトさんを否定するわけでも、あのような場所でのコミュニケーション方法を否定するわけでは絶対にないのです。

現に「イイヅカさん」から13億円を受け取るタイミングはあの場所でしかできませんし、全ては最初の「イイヅカさん」との出会いから運命は既に始まっていたんです。今からその運命を変えるということは全てを変えてしまうことになります。なので私とは直接このように連絡を取りあってください。」

──おまえは何を言っているんだ。最初にコミュニティサイト(出会い系サイト)に誘導してきたのはセイヤ氏だろう。それを「直メにしよう」と軌道修正したのは私だろう。
「直接連絡することを決めたのは安全のため」って、当たり前だろコノヤロー!

すぐさま私は

「なんだかよくわからないのですが、直接メールをしたほうが楽なので大丈夫ですよー! ちなみに13億円ですが、銀行口座に振り込んでほしいと思っています。イイヅカさんから振り込まれるということでよろしいでしょうか?」

と図々しく返信した。

セイヤ氏の真の狙いが分からない。質問にも一切答えてくれない。スイングするような試合になっていないし、着地点が見えてこない。
おそらくセイヤ氏も、どのように “フィニッシュ” するか考えていたのではないだろうか。以下のセイヤ氏からのメールには、そんな焦りも垣間見える。

【セイヤです。「イイヅカさん」から13億円を譲り受けるタイミングは数時間しかありません。それだけはしっかりと覚えておいてください。】

「運命とは常に動いているものです。なのでその運命というものしっかりと受け入れるには前から何度もお伝えしているように全て「タイミング」というものがあるんです。もちろん今までの死期の回避と同様に今回の「イイヅカさん」からの13億円の譲渡にはしっかりとした譲渡のタイミングがあります。

そのタイミングがさっき話したように「数時間」なんです。この数時間のタイミングを逃すことになれば全ての運命の歯車は狂い始めて、私がこの前お伝えしたような状況に陥ることは避けられません。

そうならない為に、私の予言どおりに事を進めるためにも必ず「イイヅカさん」に従われて円滑に13億円は受け取られてください。私が心配しているのはその「タイミング」だけなんです。」

──まるで進展がない。内容的には「あと数時間」と「タイミング」、それだけだ。とりあえずジャブを打ってみました的な、わりとどうでもいい内容である。試合を再び盛り上げるには、こちらからの攻めも必要だ。ということで私は以下のように返信した。

GO羽鳥「タイミングが重要ということですね。そして、とにかく私はイイヅカさんから13億円もらえるということですね! とても嬉しいです。今から仕事を辞める準備をしておきます。

ちなみに……イイヅカさんは東北地方周辺にお住まいとのことでしたが、もしかしたら来月あたりの週末を使って、私は東北に行くかもしれません! ちょうど他の用事がありまして、そのついでにイイヅカさんに会えたら、まさしく最高のタイミングだと思います。

イイヅカさんは週末とかお休みですかね……? 私、平日だと厳しいです。もし可能でしたら、イイヅカさんの連絡先をご存知でしたら教えてもらえますでしょうか……? 私が直接、イイヅカさんに連絡してみようと思います。」

──ズイズイ行ってみた。もう、オマエはいらん。私が直接「イイヅカさん」と連絡する。そのためなら、東北にも行ってやる。ある意味、セイヤ氏を焦らせるための1手だった。しかし、セイヤ氏は、相も変わらず、こんなメールを送ってきたのだった。

【セイヤです。刻々とその「タイミング」が近づいているようですよ。あなたもおわかりになりますか?】

「恐らく「イイヅカさん」からは既に13億円について譲渡する話はもう出されているでしょう。私があのサイトであなたと出会ったのも私の予言どおりです。そしてあなたに訪れていた死期を回避したのも1つの運命です。そしてイイヅカさんとの再会も同様です。

このイイヅカさんとの再会というものがあなたの人生を大きく変え始めるのです。今まであなたには一方的な連絡を何十通も繰り返しして参りました。そして直接、私はあなたへ連絡することにも切り替えました。

そして私の今まで残してきた予言の記録もお教えしました。私があなたと出会ったということをあなたの中で1つの過程として考えてもらえるようにして頂きたいと思っています。これが最終予言では決してないのです!

あなたはイイヅカさんから委ねられた13億円という資産で多くの人々を救う活動をされるんです。もちろんそれはある1つのきっかけからです。そのきっかけはあなたがイイヅカさんから13億円を受け取り終えた「タイミング」でお話をしようと思っています。」

──正直、カッとなってしまった。まるで進展しないメールの内容を見て、頭に血が上ってしまった。そんな状態で、私は「今まであなたには一方的な連絡を何十通も繰り返しして参りました。」を、「今まであなたは一方的な連絡を何十通も繰り返しして参りました。」と読み違えてしまったのだった。

そして……キラウエア火山のようにブチ切れまくる長州力のごとく、私はセイヤ氏に超攻撃的な返信をしてしまうのであった。単なる私の勘違いなのに。

GO羽鳥「タイミングが近づいているのは私も分かっています。会ったこともないですが、「イイヅカさん」の吐息を心のなかで感じます。ところで「あのサイト」って、どこのサイトですか? セイヤさんのブログでしょうか?

それはさておき、「今まであなたは一方的な連絡を何十通も繰り返しして参りました」というのは悲しいです。なんでそんなこと言うんですか! ひどいです! なんでセイヤさんは私の質問を無視するのですか? セイヤさんこそ、一方的な連絡しかしてくれないじゃないですか。

何様ですか。セイヤ様ですか。私を悲しませないで下さい。セイヤ様は星占い師かもしれません。でも私の戦闘力は530000です。セイヤ様の戦闘力はどのくらいでしょうか? 私を怒らせないで下さい。私を怒らせたら、地球なんて一発ですよ。」

──むろん、「戦闘力530000」というのは、漫画『ドラゴンボール』に登場する “宇宙の帝王” ことフリーザ様のことだ。宇宙最強の存在、それがフリーザ様だ! なお、このメールを送って以来、「星占いセイヤ」からの返信は一切ない。

ちなみに、すぐに私は「ハッ」と我に返り、「ついカッとしてドラゴンボールのフリーザ様であることを連想させる大変失礼なメールを送ってしまい申し訳ございませんでした。お返事ください。こんなことで13億円を無駄にしたくはありません!」と謝罪メールを送ってみたが、セイヤ氏からの返事は、いまだ来たらず……。試合終了である。

・もしも本当に私が大腸がんで死んだらセイヤ氏の勝ちだ

私は、なんてことをしてしまったんだ。まれに見る好敵手も逃がしたうえに、13億円も逃がしてしまった。「釣り」にたとえるならば、強く引きすぎて獲物を逃してしまったような感じである。だが……これもまた「釣り」の醍醐味であろう。

しかし、今でも心にひっかかるのは、私が「2年後に大腸がんで死ぬ」という不吉な予言である。もしも本当に私が2年後に大腸がんで死んだら、この勝負はセイヤ氏の勝ちだ。今のうちから予言ブログに名指しで書いておくとイイだろう。

でも最後に、私もひとつだけ予言をしておきたい。星占いセイヤ氏の予言ブログは、そのうち自らの手で削除されることになるだろう、と。なぜならば、“私に届いた「イイヅカさん13億円メール」と同じ文面のメールを受け取っている人が、私のほかにも存在する” ことが、後の調査で判明したからである。

つまるところ、セイヤ氏の予言は大ウソだったのだ。無差別的に、いろんな人に「イイヅカさん13億円メール」を送っていたのだ。そして、そのメールに説得力を付けるために存在するのが、「予言ブログ」なのだ。そんなこと、最初から分かっていたが……。

──セイヤさん、星占いセイヤさん。羽鳥です。間もなくあなたのウソは誰にも通用しなくなります。刻々とその「タイミング」が近づいているようです。でも決して恐れないでください。心の中で、例の呪文「セイノセイ〜」を3回繰り返して下さい。しかし残念ながら……この運命は回避できないようです。覚悟はできていますか?




以上、転載。
GO羽鳥さんの実録迷惑メールシリーズをもっと見たい!って方がいらっしゃれば、こちらからどうぞ。
大丈夫です、出会い系サイトに飛んだりなんかしません。

最近また 【実録】謎の佐藤から「同窓会の件」というメールが届いた とかいう面白そうな記事が出来ていますね。
迷惑メールの被害は色々聞こえてきますが、それをここまで真剣に付き合うGO羽鳥さんは相当変わっていらっしゃる。

というわけで、今回はこのあたりでお開きとします!
何か面白い迷惑メール見つけたら教えてあげたらどうでしょうか。

それではまたの次回までごきげんよう~。





え?手抜きだって?知らん!!!


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